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「めがねのまちの未来を考える」座談会(前編)

SABAE × J-GoodTech

現在ジェグテックでは、各地方自治体と連携した中小企業の支援に力を入れています。
その本格的な取り組みとして初めて手を取り合ったのが「めがねのまち」で知られる福井県鯖江市。
よりよい支援実現に向け、すでにジェグテックに登録されている鯖江市内の中小企業のうち、
アイテック様、ホプニック研究所様、福井めがね工業様、フクオカラシ様の4社様にお越しいただき、今回座談会を開催。
「各社が抱えている課題や、今後のビジョンに対し、鯖江市とジェグテックがどう貢献できるか」をテーマに、
牧野百男 鯖江市長も交えながら、活発に意見交換がなされたその模様を、前編・後編の2回に亘りお送りしていきます。

今、鯖江市の中小企業が直面している問題とは。

ジェグテック ではまず、現在皆様が、それぞれの会社運営の中で「一番に解決すべきもの」として捉えている問題について順番に伺っていきたいと思います。アイテック黒田様いかがでしょうか。

アイテック 黒田一郎氏(以下 黒田氏) 当社はめがねの表面処理加工、いわゆるめっき業者として、この鯖江に育てていただいた会社です。反面、めっき業は製造過程の一工程として「委託」され初めて成り立つ業種でもあるため、親企業や市場に大きく左右されてしまいます。ですので、我々が抱える問題としては、産地全体の生産高の縮小が挙げられますね。一時は、安定した事業を目指し「脱めがね・脱下請け」を掲げこともありましたが、なかなか思うような結果を残せなかったのが事実です。「技術」自体が商品だと自負はしているものの、本当の意味での自社製品がないためにどうしても市場に一歩遅れをとってしまいますから。これは、日本のものづくりの根本的課題でもあるのかも知れません。

ジェグテック 国内市場の縮小を受けて、海外マーケットへの進出も視野にあるのでしょうか。

黒田氏 もちろんあります。ですがやはり「かたちあるもの」を持たない我々は、安易に生産拠点を海外に移すのではなく、「当社の技術をどう応用していただくか」「どんな分野に活用していただくか」に目を向け、まだ見ぬ世界のニーズとどう出会っていくかが重要だと痛感しています。

めがねフレームのメッキ加工(電着塗装)工程[アイテック株式会社]
めがねフレームのメッキ加工(電着塗装)工程[アイテック株式会社]

ジェグテック 続きまして、ホプニック研究所 髙木様いかがでしょうか。

ホプニック研究所 髙木俊治氏 (以下 髙木氏) 「フレーム」の印象が強い鯖江において、私たちが主に扱っているのはプラスチックレンズです。実は福井県は、プラスチックレンズ発祥の地とも言われているのですが、現在では安価な海外製品に押され、国内の生産地もここ福井と愛知の2県を残すのみ。量産品ではなかなか太刀打ちできない現状の中、私たちは医療用の特殊なレンズに特化する道を選びました。しかしそこにも問題があって、せっかく開発した新しいレンズを、中小企業であるが故に、市場へ周知させる術と資金を持っていなかったのです。「新製品を販売に繋げられない」。それが、今も解決できずにいる一番の課題と言えますね。ですから今後は、外部の機関や企業と組むことで、製品を効率的かつ魅力的にアピールしていきたいと模索しているところです。

ジェグテック 情報が氾濫する昨今、新製品を世の中にどう広めていくかは、非常に難しい課題ですね。

髙木氏 たとえばテレビのように、4Kや8Kといった分かりやすい価値がある電化製品などと違い、レンズの良さは目に見えづらく伝えづらいもの。実際に手にとって、掛けてもらってはじめて実感していただける価値ですので、その段階まで辿り着くには、相当に高いハードルを超えなければなりません。

高い精度が要求されるプラスチックレンズ用のモールド(ガラス製の型)[株式会社ホプニック研究所]
高い精度が要求されるプラスチックレンズ用のモールド(ガラス製の型)[株式会社ホプニック研究所]

ジェグテック では次に、福井めがね工業 田畑様、よろしくお願いいたします。

福井めがね工業 田畑周徳氏(以下 田畑氏) 弊社は会社名通り、めがね・サングラスのフレーム一筋に製造しているメーカーでございます。「鯖江で作ったものを、鯖江の地から国内・海外へ」をモットーに、創業以来100%国産にこだわり続けてきました。それでもやはり近年は、他社様同様課題が山積しているのが実情です。まずは「新商品開発」。海外から良質なめがねが次々と流入してくる中、鯖江ブランドとして生き残るため、独自の魅力を持った商品作りに取り組んでおりますが、大いに苦戦を強いられています。ユーザーにアピールしやすいよう、たとえば素材の違いであったり目に見える特長を打ち出そうとするものの、チタンに代わる強みを確立できないまま、今に至っています。次に「人」の問題。これは鯖江に限った話ではないかも知れませんが、人材不足には非常に悩まされていますね。めがねは一種の工芸品ですので、どんなに機械化が進んでも「人の手」が必ず必要となります。現場の高齢化が進み、若い世代へ技術を引き継げなければ、10年後20年後、めがね産業は途絶えてしまう可能性さえある。そうならないためにも「めがね」自体の魅力を若者たちへ訴えようと、業界・組合が一丸となって動き始めているところです。

ジェグテック それはどんな取り組みなのでしょうか。

田畑氏 組合として今年から始めた試みは、福井工業大学と連携して行った就活生への説明会です。これまで各企業が単体で参加していた会社説明会とは異なり、めがね業界として説明会を開催しました。もちろんすぐに成果が望めるわけではありませんが、次世代へ繋げる活動のひとつとしてこれからも継続していきたいですね。めがね作りへの誇りや憧れが薄れてしまったのは、我々の責任でもありますから。

バレル(回転ドラム)内で研磨チップによって磨かれるフレーム[福井めがね工業株式会社]
バレル(回転ドラム)内で研磨チップによって磨かれるフレーム[福井めがね工業株式会社]

ジェグテック 最後に、フクオカラシ 恩地様いかがでしょうか。

フクオカラシ 恩地宏彰氏 弊社はめがねの金属部品製造、いわゆる切削加工を得意としている会社です。ネジからはじまり蝶番、ジョイントまで、めがねに用いられる精密部品の加工を手掛けています。その品質を保ち続けてきた技術や知識が弊社の財産ではありますが、それを後世へ継承できずにいる問題は我々も皆様と同じように抱えています。油を使って金属加工をするという仕事に若者の目が向かないばかりか、業界内の若手に至っても「新たなチャレンジに挑み、技量を磨いていく」ことよりも、ノルマをこなしていくことを優先している印象です。これではなかなかめがね業界の復興は望めませんよね。さらに市場のニーズも変化しつつあり、多品種小ロット化が進んでいます。工程も複雑化し、短納期が求められる中、「人」と「機械」がいかに進化し、それにどう対応していくのかが今後の鍵になると言えそうです。

ジェグテック 時代の変化を敏感に察知し、経営資源である「人」や「もの」を進化させていくことが、重要な要素となるわけですね。

鯖江市×鯖江市中小企業×ジェグテック「めがねのまちの未来を考える」座談会(後編)を見る

多品種小ロットのニーズにも対応する精密部品製造[株式会社フクオカラシ]
多品種小ロットのニーズにも対応する精密部品製造[株式会社フクオカラシ]

PROFILE

  • アイテック株式会社
    代表取締役会長 黒田一郎氏

    昭和21年生まれ。鯖江市出身。大阪府立大学工学部応用化学科卒業後、金属化学工業を経て、黒田メッキ入社。平成元年、アイテック株式会社への社名変更に伴い代表取締役に就任し、平成23年からは代表取締役会長を務め、現在に至る。その他多数の団体役員職を兼任。

  • 株式会社ホプニック研究所
    代表取締役 髙木俊治氏

    昭和28年生まれ。越前市出身。福井県立丹生高等学校卒。当時旭光学の子会社である日本レジン光学(株)に入社、事業閉鎖後(株)サンルックスを設立、その後サンアイ技研(株)を設立し2期目に代表取締役に就任、退社後1989年(株)ホプニック研究所代表取締役に就任。

  • 福井めがね工業株式会社
    代表取締役社長 田畑周徳氏

    昭和38年生まれ。越前市出身。大阪外語専門学校を卒業後、福井めがね工業(株)に入社。平成元年、取締役就任。平成20年に取締役社長に就任し、平成22年からは代表取締役社長を務め、現在に至る。福井県眼鏡工業組合 理事長、福井県眼鏡協会 副会長を兼任。

  • 株式会社フクオカラシ
    企画課長 恩地宏彰氏

    昭和43年生まれ。坂井市出身。同志社大学法学部法律学科卒業後、精密機器メーカーを経て、(株)フクオカラシ入社。入社後は、前職のベトナム駐在経験を生かして、2013年にベトナム現地法人の立ち上げを担当。現在は鯖江本社に所属しながら、ベトナムの運営全般サポートを行っている。

幅広く事業展開を目指す企業の方は、
ぜひジェグテックをご活用ください。

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