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超音波の可能性を追求しつづける研究開発型企業

本多電子株式会社 経営本部 特機開発室 本多 祐二 氏
総務財務部 総務企画チーム 市川 正文 氏

ABOUT COMPANY

1956年の創業以来、超音波技術に特化した事業を行ってきた本多電子
小型船舶向けの魚群探知機から事業をスタートし、
レジャー用魚群探知機では、国内のみならず海外でも大きなシェアを維持しています。
また、超音波という汎用性の高い技術を活かし、医療や環境などの分野でも顧客のニーズを掴んで
新たなフィールドに事業を拡大しています。超音波一筋で歩んできた同社が抱く、今後の超音波技術の可能性を
経営本部特機開発室の本多祐二氏、総務財務部 総務企画チーム 市川正文氏にお話を伺いました。

超音波はマイナーな技術。技術情報を発信しニーズを探る

「超音波というのは、光、電波も含めた波の分類の中でも非常にマイナーな要素技術だと思っています。汎用性は高くても、“超音波技術でなければダメだ”というものって実は意外と少ないんです。超音波の優位性がどこにあるのか。そこを見極めていくことが大切だと考えています」と語る本多氏。本多電子では「オープンテクノロジー」の理念を掲げ、超音波技術の情報を積極的に発信しています。そこから顧客のニーズを拾い集め、製品開発に活かしてきました。
元々、小型船舶向けの魚群探知機から事業をスタートした同社。当時、世界初となるトランジスタを使った小型魚群探知機を開発し、大きな話題となりました。
「音響信号の解析処理をフルデジタル化したのが他社よりも数年早かったんですね。それで感度が高くなった分、信号処理の工夫がいろいろできるようになったのです。他社よりも先行できたのが大きかったですね」と大きなシェアが持てている理由を話してくれました。

世界初のトランジスタ魚群探知機(左)と最新モデル(右)
世界初のトランジスタ魚群探知機(左)と最新モデル(右)

さまざまな分野で応用される超音波技術。
その可能性を追求

超音波技術の応用分野は、魚群探知機だけにとどまりません。メガネや精密部品を洗浄する超音波洗浄器や、半導体製造に使う薬品を精密に測る流量計測に超音波を利用するなど、様々な用途に超音波の可能性は広がっています。「今は環境分野の水処理での応用に大きな期待をかけています。処理槽の計測や、配管の流量の計測、沈殿した汚泥の界面などの観測に超音波が利用されています。沈殿物の再活用などで利益を出すことも可能ですので、水処理施設における超音波のニーズは今後益々高まると思っています」と本多氏。
一方、市川氏は医療の分野にも注目しているといいます。「個人的には医用超音波顕微鏡に大きな可能性を感じています。ガンや心筋梗塞に侵された細胞というのは、健康な細胞と比べて硬くなります。それを超音波で見分けるというものです。光学顕微鏡での検査は細胞に数時間、長くて数日の時間をかけて染色・判断をしています。それが、超音波であれば数分で結果が出ますし、計測結果が数値化しやすいんですね。これをデータベース化してAIに学習させれば、大いに診断の役に立つのではないか、というようなことを、現在、大学と協力して行っています」
また、模型造形にこだわりのあるユーザーに人気の超音波カッターや、除菌、消臭、加湿などに利用される超音波霧化器など、より一般の消費者に近い製品を開発し、関連会社のエコーテック株式会社を通して市場に展開しています。

環境分野での超音波の応用に期待していると本多氏
環境分野での超音波の応用に期待していると本多氏

素材から作る強み。
研究開発にも積極投資

超音波を発生させるための材料である圧電セラミックスを自社で内製化しているのも大きな特徴です。その実現には多大な苦労があったそうです。内製化のメリットを本多氏は次のように語ります。「素材を内製化する一番のメリットは、周波数をコントロールできるところにあります。超音波は、周波数が低ければ、遠くまで届くものの、分解能が低くなり、周波数が高ければ、届く距離は短くなるものの分解能が高くなるという特徴があります。『この製品にちょうどいい周波数は何か』というときに適切な周波数の素材を必要な数だけ作ることができるというのは大きな強みですね」また、研究開発を積極的に行うことも本多電子の文化だといいます。「“研究開発型企業”という言葉を私たちは使っています。新しい技術や製品開発、特許取得など常にチャレンジしていこうという風土がありますね。大学や研究機関と共同研究、共同開発など、人員投入を含めて積極的に力を入れているところです」と市川氏。成果として、2006年、鉛を使わない無鉛圧電セラミックスの開発に世界で初めて成功しました。鉛はヨーロッパのRoHS規制で有害物質として指定されています。ただ、圧電セラミックスに関しては性能やコスト、量産性を考えると、それに変わる素材がないということもあり、現状では例外として認められているそうです。「コストも高いし、まだ必要とされているわけではありません。しかし、いずれ例外と認められなくなったとき、この備えが役に立つかもしれません」と市川氏はいいます。

素材から作るメリットは大きい
素材から作るメリットは大きい

超音波科学館とハンドブックで
超音波の魅力を伝える

創業者である本多敬介氏の発案で、平成8年、超音波科学館をオープン。本多電子の応用製品を紹介するだけでなく、超音波の歴史や基本的な要素技術など、超音波の魅力を伝える目的で建てられました。現在では超音波を発生させるための圧電セラミックスから魚群探知機や医療機器、洗浄機まで、超音波を活用した多種多様な製品が展示されています。「小・中学生の社会見学であるとか、国内外の研究者、取引先の方など、幅広くご利用いただいています。オープンから20年以上たっており、みなさまにもっと楽しんでいただけるよう、現在リニューアルを検討中です」と市川氏。
また、超音波科学館のほかに“超音波ハンドブック”として、超音波の基本的な説明に加えて、産業別マップ、超音波技術など超音波を使ってできることを紹介しています。これは基礎から応用まで超音波についての深い知見を持つ本多電子ならではの取り組みと言えます。これらの方法で超音波の多様な活用方法を紹介することが、本多電子の持つ技術や知識を市場にアピールし、顧客のニーズを捉えることにつながっています。

充実した内容の超音波ハンドブック
充実した内容の超音波ハンドブック

一緒にマーケットを作っていける企業とつながりたい

本多電子は今後どのような方向を目指すのでしょうか。「我々は、魚群探知機や医療などの計測の分野と、さまざまな製品の洗浄の分野の二つのマーケットで戦ってきました。この分野をもう一つか二つ増やしたいですね。今、考えているのは、加工や環境の分野ですね」。ただ、自社の技術だけでは、なかなか良い提案ができないということも感じているとのこと。「一緒にマーケットを作っていこうという会社とつながりたいですね。ジェグテックに登録されている中小企業にはものすごい技術を持たれている会社がたくさんあると思います。提案力を強化するために、どのように異業種の企業と連携できるのかを模索しています」と本多氏。
超音波は汎用性があり、多くの分野での活用が期待されながらも、超音波でなければいけないという優位性が見つからないことも多く、それをいかに見つけるかが今後の課題といいます。「超音波技術をどう応用できるかは常に考えていますし、社員も含め、感性をもっともっと研ぎ澄ましていかないと、と思っています。そうすればさらに応用範囲は広がっていくと思いますね」と本多氏は今後の期待を語ってくれました。

本多電子本社社屋
本多電子本社社屋

FROM J-GoodTech

本多電子株式会社は、超音波技術に特化し、その可能性を追求し続けてきた会社でした。
今では、産業や医療、環境など、幅広い範囲でその技術は活用されています。
しかし、汎用性が高い技術なだけに、まだまだ誰も気づいていない、超音波ならではの活用方法があるかもしれません。
ぜひ、超音波科学館を訪れていただき、超音波の大きな可能性を感じていただければと思います。

ジェグテックでは、本多電子のような、特徴的な優れた技術を持つ企業を
数多くサポートしておりますが、まだまだ知られていない企業も多くあります。
今後もこうした企業を紹介していくことで、
みなさまのビジネスの発展に寄与するきっかけ作りができればと考えています。

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ぜひジェグテックをご活用ください。

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