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世界最高レベルの高精度研磨加工技術。
社員の知恵がオンリーワンの技術を生み出す。

株式会社ティ・ディ・シー 代表取締役社長 赤羽優子 氏

ABOUT COMPANY

高精度研磨加工の分野において世界最高レベルの技術を持つ株式会社ティ・ディ・シー
他社ができない仕事を引き受け、試行錯誤しながら社員の知恵を持ち寄って技術を高めてきました。
最近では、小惑星探査機「はやぶさ2」にその技術が採用されたり、アートの分野でアーティストとの異色のコラボを実現するなど、
ティ・ディ・シーにしかない技術を求めて世界中から注文がくる会社に成長しています。
どのようにしてオンリーワンの技術を生み出すことができたのでしょうか。
代表取締役社長 赤羽優子氏にお話を伺いました。

祖父が立ち上げた鋳造業からの大転換。

ティ・ディ・シーの元は、1953年に赤羽氏の祖父が立ち上げた「合資会社東北ダイキャスト工業所」です。鋳造業を営み、大企業からの注文を受け、大量生産するという業態でした。海外進出も果たし、フィリピン工場を立ち上げ、一時は300人以上の社員を抱えるほどに成長しました。「フィリピンの工場は大人数でありながらも一緒に食堂でワイワイとご飯を食べるような家族的な雰囲気のある会社でした。また、フィリピン人スタッフは優秀なメンバーが多く、当社に入社後もさらにスキルアップを続けていました。でも発注元の大企業の移転に合わせて、より人件費の安い場所に移転をしなければならなくなり、大変残念な思いをしました。そこで海外ビジネスでは人を育成しては解雇するということをやり続けなければならないとわかったんですね。当時社長だった父は、それを本当に続けたいのかを考えたようです」。その結果、第二の創業ともいうべき大転換を図ることになります。自分の目指す経営は地元で長く雇用を続けて一流の技術者を育成することだと決断。海外の仕事を縮小することにしたのです。高精度技術を高めることで高付加価値なビジネスをしよう、仕事を求めて海外に行くのではなく、世界中から仕事が集まるような会社にしていこうという思いで、1989年、別会社として株式会社ティ・ディ・シーを設立しました。

高精度研磨加工でオンリーワンの技術を持つ
高精度研磨加工でオンリーワンの技術を持つ

できるまでやる。
一人のお客様のためだけにやる。

そこから新規開拓を始めたのですが、研磨メーカーとしては後発でもあり、変な材質であったり変わった形だったり、他社がやりたがらないような仕事しかありませんでした。 「他にやることがなかったものですから、ただひたすらにがむしゃらにできるまでやるというようなことをやっていました。もう夢にまで見るぐらい難しい仕事で、みんなの知恵を寄せ集めてトライアンドエラーを繰り返してきたのです。独自の技術があるわけではなくて、お客様に言われたことを徹底的にやってきただけなんですね」と赤羽氏は話します。
他社がどこもできなくて困っていることありませんかというメッセージを、さまざまなメディア、展示会などで積極的にPRすると、難しい仕事が集まってきます。それをなんとかクリアすることでオンリーワンの技術ができていくというのです。「私たちは、一人のお客様が『どこを探してもない、どうしても欲しい』と言われたら、『わかりました、あなたのためだけにやります』と言います。そのために独自の技術開発や装置開発もします。そうすると、その技術が世界に広がっていくことがあるんですね。競合が参入してくるリスクも少なく、自社のオンリーワンの技術があって、世界に売れる。そんなことの繰り返しなのです」と赤羽氏。

「できるまでやります」とこともなげに言う赤羽社長
「できるまでやります」とこともなげに言う赤羽社長

材質や形を問わない加工技術。
世界最高水準の測定環境で品質保証も。

ティ・ディ・シーの研磨技術の特徴は、材質を問わないところです。金属、セラミックス、結晶材料、樹脂など幅広い材質に対応しています。また、形も問いません。平面・曲面、円筒内外径など、あらゆる形状のものに対して、面粗さRa1 nm、Rz4 nmの超精密加工が可能です。こうした面粗さをクリアしながらも、「平行度100 nm」「平面度30 nm」「寸法精度±100 nm」「角度±3 秒」「真球度50 nm」といった他の加工要素に高度な精度を出すこともできます。さらには、世界最高水準の測定環境と評価技術を自社で持ち、品質保証データを提供できることも大きな強みです。「作業者は自分自身で加工と測定を交互に繰り返しながら精度を高めていきます。それは、高度な測定環境がすぐ隣にあるから可能なのです。このような環境下だからこそクリエイティブなものづくりができると感じています」と赤羽氏は説明してくれました。

加工と測定を交互に繰り返して精度を高めていく
加工と測定を交互に繰り返して精度を高めていく

鏡面加工技術がはやぶさ2に採用。
放射光施設との連携で新たな価値を生み出す。

こうして技術を高めていった結果、小惑星探査機「はやぶさ2」のサンプルキャッチャーにティ・ディ・シーの鏡面加工技術が採用されるまでになりました。世界最高水準であるナノレベルの研磨精度を用いて、打ち上げ前に地球の微粒子が付着する可能性を排除しています。
また、次世代放射光施設「SLiT-J(スリットジェイ)」が2023年、仙台に作られることが決まり、この施設を産業界で活用できる地元企業としてティ・ディ・シーは期待されています。放射光施設とは、ナノの世界を見るための大きな顕微鏡のようなものです。ティ・ディ・シーの持つ世界トップレベルの技術で磨くと、面の粗さは0.1ナノ以下という水準。放射光施設を使って計測すれば、より精度の高い品質保障ができるようになり、新たな技術が生まれる可能性があるというのです。「今は兵庫県にあるSPring-8という放射光施設で東北大学の先生と実験を進めています。ティ・ディ・シーに研磨を頼んだら、こんなすごい検査データがついてくるという風になれば、それが付加価値となり、新しいビジネスになるだろうと思っています」と赤羽氏は期待しています。

みごとに磨き上げられた鏡面加工
みごとに磨き上げられた鏡面加工

東日本大震災を乗り越え強い会社に。

2011年の東日本大震災では、大きな被害を受けました。建物の倒壊は免れたものの、精密加工という特性上、機械がすべて使えなくなってしまったのです。他社よりも早い段階で進めていた作業工程のIT化も電気が使えないと全く意味のない状態に。情報セキュリティを考えて自社サーバーに保管してあった顧客データも本社の停電によって見ることができず、電話番号すら分からなくなってしまいました。「工場は立て直すのに1年半くらいかかりました。隣に空き地があったので、そこに新しい工場を建てました。電気が通じないということはこういうことかと勉強にもなりました。今は、データは自社サーバーとクラウドと二重で情報管理をしていて何があっても大丈夫です。強い会社になったなとは思いますね」。また、改めて運命共同体である社員との結束を感じたと言います。「幸い社員は全員生きていたのですが、自分の家が大変でもみんな会社に来てくれたんですよね。倒れた機械をみんなで起こしたりして大変な思いをしました。取引先から食べ物や水を送っていただいて会社が食糧の配給所になったりもしました。それも経験だなと今となっては思います」。

その場その場で自然と会話が生まれる
その場その場で自然と会話が生まれる

18歳から75歳までの社員がいる会社。

従業員数は現在60名。18歳から75歳までまんべんなくいるのが強みだと赤羽氏は言います。「これまで技術は人に依存する部分が多かったのですけれど、そのデータをIT化して保存したりとか、若手に技術を指導することも仕事だと捉えています。若い社員が70歳すぎの社員のことを『まだまだ教わりたいことがあるから、あの人辞めさせないで』って私に言ってくるんですよ。いいなぁと思いますね」。女性が1/3以上いるのも大きな特徴です。製造業は3K労働(きつい、汚い、危険)だと思われがちですが、そんなことはないとのこと。「重いものを運ぶことを繰り返していると、稼ぎ頭である50代、60代の男性が腰が痛い、膝が痛いとなってきてしまうんですね。女性でも働きやすい職場環境を整備して、男女を問わず長く勤められ、技能が上がっていく人がどんどん増えるという会社にしていきたいです」。

男女を問わず働きやすい環境
男女を問わず働きやすい環境

教え合う社風。究極の効率化を目指して。

2015年に父から引き継いで社長になった赤羽氏。会長となった父にいろいろと教わりながら経営をしており、それをお客様にも公言しています。「教え合う社風なんですよね。私が社員に指導することもあるし、社員が私に教えてくれることもあって、フラットな感じがします。会議室での会議よりも、現場でああしてみればこうしてみればと言い合えることが重要で、みんなが意見を言いやすい雰囲気がありますね」。今後の目標を聞くと、特に大きな野望はないと言います。「技術開発をして、販路開発をして、人材育成をする。これが会社全員の仕事なんですけれど、それを粛々と続けていくということでしょうか。社長の一番の仕事は、社員にたくさん給料を払うことだと思っているので、働き方改革を進めて、究極の効率化を目指していきたいですね。これまで以上に高付加価値のものを作ってお客さんに喜んでもらうことが結果につながると思っています」。

お客さんに喜んでもらうことが結果につながると話す赤羽社長
お客さんに喜んでもらうことが結果につながると話す赤羽社長

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株式会社ティ・ディ・シーは、困難な仕事に対して、社員が知恵を出し合い、
失敗を繰り返すことでオンリーワン技術を育ててきた会社でした。
「高精度のものを作りたくて困っていらっしゃる方に弊社の技術を届けたい。ジェグテックに期待しています」と話す赤羽氏。
付加価値の高いものづくりに取り組む企業にこそ、同社の研磨技術は大いに役立つでしょう。

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