ジェグテック掲載企業、8割が海外展開に意欲 

取り組みを強化したい進出先、人気No.1に米国

中小企業基盤整備機構がビジネスマッチングサイト「J-GoodTech(ジェグテック)」に登録する中小企業(ジェグテック掲載企業)2500社を対象に海外展開についての意識を調べたところ、自由回答欄に寄せられた125社の意見·要望のうち、海外展開に意欲的な内容が全体の79.2%を占めた。

また今後取り組みを最優先に強化したい先として、米国を挙げる企業がトップとなり、全体の18.7%を占めた。販売先を確保したいとの意向が目立ち、拡大する海外市場に向けて自信の製品・技術を拡販して知名度を向上、業容拡大につなげる戦略が垣間見えた。

最重要課題に国際市場開拓

ジェグテック掲載企業から寄せられた意見·要望のうち、海外展開に意欲がある企業が53.6%を占め、過半数となった。中小機構からのサポートを受けることなどを条件に海外展開に取り組もうとする企業が25.6%で全体の4分の1を占める。これらの回答を合わせた海外展開に前向きな企業はほぼ8割に達した。ジェグテック掲載企業の多くが海外展開に意欲的であることが分かる。

意欲がある企業の意見·要望には「最重要課題として検討を進めている」「進出先に詳しい関係者(商社など)から直接ヒアリングしたい」「製造拠点の開設、日本国内からの輸出の両面で、海外への販路開拓を模索中」などがある。「(関税を段階的に引き下げる)環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の合意で、輸出入が自由化される。安価な海外製品の調達と生産を確保したい」との声もあった。

条件付きで海外展開に取り組む考えの企業には「言葉の壁どう破って、現地へ入っていくか支援いただきたい」「同業の中小企業がグループをつくり、それぞれの拠点で生産委託できることが好ましい」「海外展開に強い興味があるが、加工技術、価格面で世界で通用するのかわからない」といった声が寄せられた。取り組みを進める上で課題がありながらも、それをクリアできれば取り組みを加速させる意欲が見て取れる。

いずれも少子高齢化に伴う国内市場の縮小が念頭にあり、その打開策としての意識がある。一方、現時点で海外展開を考えていない企業もわずかにある。「会社規模が小さいので海外はなかなか難しい」「会社の方針として国内生産にこだわって進める予定」「技術者を育成しても待遇面が高い企業に移動する問題が発生する」などとし、慎重な姿勢もあった。

先端技術・製品で販路掘りおこし

今後、海外展開を強化していきたい進出先のうち、最優先で取り組みを進めたい先に米国を挙げた企業は53社。回答があった284社のおよそ2割を占めた。理由としては「販路開拓(販売先確保)」が最も多く、米国を選んだ企業の69.8%がこれを選んだ。「代理店確保(販売、サービス含む)」(22.6%)、「技術提携」(7.5%)が続いた。政府がTPPについて大筋合意し、今後、関税が引き下げられていく状況なども影響していそうだ。

米国での展開を最優先にしたい企業が多い背景には、ジェグテック掲載企業の技術水準の高さがあると中小機構は見ている。販路支援部新市場開拓コーディネーター·小池康雄氏は「かねてから中小企業には自社の先端技術、もしくは先端技術を採用した製品を米国で拡販したいという意識がある。米国展開を最優先したい企業多い状況には、米国展開にふさわしい技術、製品が持つ企業がジェグテックに集まっているという証左だ」と話す。

中国以外のアジア各国に人気

米国に続き、ベトナム(11.6%)、インドネシア(9.5%)、タイ(9.2%)、中国(8.0%)の順となった。巨大市場である中国の存在感は依然として大きい。ただ現地では人件費の高騰などの懸念も膨らんでおり、中国以外の進出先の候補「チャイナ+1(プラスワン)」として注目されるアジアの各国が軒並み顔をそろえた格好。ベトナムでの展開を最優先する企業は「販路開拓(販売先確保)」のほか、「生産委託」を理由に挙げる向きもある。生産拠点としてだけでなく市場としても期待されている。

インドネシア、タイでの取り組み強化をめぐっては、ともに「販路開拓(販売先確保)」「代理店確保(販売、サービス含む)」といった理由が目立ち、「先端製品は米国へ。汎用品はアジアへというジェグテック掲載企業の戦略が浮かび上がる」(小池氏)といった見方もできる。一方、中国については「販路開拓(販売先確保)」のほか、「生産委託」という目的も依然として根強い。独自の事業戦略や取引先からの依頼に対応する中小企業の姿が浮かびあがる。

これまでの海外進出先をめぐっては、中国が最も多く、全体の31.1%を占めた。次いでタイの15.3%、台湾の10.0%、米国、韓国の7.6%、ベトナムの7.1%の順だった。同調査はジェグテック掲載企業約2500社を対象にジェグテックを活用して実施。2015年12月21日から2016年1月15日まで1カ月程度行われ、389社から回答を得た。中小機構はアンケートを今後の施策展開に生かしていく考え。増加している海外企業によるジェグテック登録を追い風に、日本のジェグテック掲載企業とのマッチングを後押しし、成功事例を積み上げていく。