医療現場の変革へ。画像処理・ロボット制御技術を軸にした研究開発型企業

オオクマ電子株式会社

オオクマ電子株式会社は、医療関連電子機器、電子制御装置、画像処理装置等の開発・製造メーカーで、熊本県が創設する「リーディング育成企業」として認定をされており、積極的な自社製品の開発を進め、受託型企業から開発・製造メーカーへの転換を遂げた熊本県を代表する企業です。

複数の有力な技術を持つオオクマ電子株式会社は、この技術を組み合わせて今後どのようなビジネスを展開していくのか、代表取締役社長の大隈恵治さんにお話を伺いました。

オオクマ電子株式会社 代表取締役社長 大隈恵治氏

オオクマ電子株式会社
代表取締役社長 大隈恵治氏

2016年の熊本地震では大きな被害があったそうですが、現在の復旧状況はいかがでしょうか

社屋は大きく破損し、現在プレハブ15棟を設置してなんとか事業を続けています。グループ補助金等を活用し、29年9月ごろ新工場が竣工する予定です。

システムイメージ

システムイメージ

「ロボット制御技術」と「画像処理技術」、2つのコア技術で受託型から自社開発製造へ

御社では様々な優位性のある技術を保有していますが、御社の強みとは何でしょうか?

当社では、これまで長年受託開発型企業として様々な企業からの要望に応えてきました。その中で多くの技術を蓄積し、当社の技術に磨きをかけ続けています。しかし、今後新たなマーケットを開拓したり、新しい価値を作っていくうえでは、自社製品の開発が必要であり、15年ほど前から積極的に自社製品開発を進め、実際に市場への投入を進めています。

当社のコアコンピタンスといえるのは、「ロボット制御技術」と「画像処理技術」の2つです。この2つのコア技術を活かし、これらを組み合わせて製品開発を行えていることが、当社の最大の強みといえます。

御社のコア技術を活かした製品開発ですが、どのような製品を開発されたのでしょうか。

使用済みの医療材料を自動認識する「スペーサー」という製品を開発しました。この「スペーサー」には当社の先ほど述べたコア技術がふんだんに使われています。通常であれば、ロボット制御と、画像処理の部分は別企業の技術を活用することが多いのですが、その場合には、それぞれの領域が上手く融合せず、シナジーを生めないケースが多いのです。しかし、当社はその2つの技術を1社で保有していることから、それぞれの技術の特性を最大限活かし、他社では真似の出来ない製品の開発に成功しました。

スペーサーの特徴、活用メリットについて教えてください

スペーサーはこれまで病院の看護師の方が手作業でされていた使用済み医療材料の確認・分別作業を自動で識別し、データとして登録できる製品です。これにより、病院の「診療報酬の請求漏れ」を防ぐことと、「看護師の人件費」を抑制することができ、導入することで大きなコストメリットを導入病院に提供することができます。

SPASER(国内向け)

SPASER(国内向け)

また、各病院で使用されたデータは当社のデータベースに蓄積され、ビッグデータ化することで、症例別、医療材料別等の各内容に応じた標準的な単価等を利用者に提供できることとなり、病院における原価マネジメントシステムとしての一役を担うことができます。病院というまだまだ改善の余地の高い分野における医療マネジメントの改善ツールとして、大きな可能性を秘めた製品です。

Cumulus(米国向け)

Cumulus(米国向け)

スペーサーを導入している病院は既にあるのでしょうか

はい。既に9つの病院がスペーサーを導入しています。また医療専門商社が約50台のスペーサーを病院に貸し出し等行っております。

スペーサー以外の製品開発はどのような状況でしょうか

当社では常に顧客の意見に耳を傾けながら、自社で保有している技術を活かして製品開発を早いサイクルで実施しています。当社の電源技術を活かしたiPhoneの検査装置や、半導体製造における各種サービスの提供など様々な製品・サービスを開発しております。今後も、業種・業界にとらわれずに自社のコアコンピタンスを活かした開発を行い、新マーケットの開拓を図っていきます。

製品開発イメージ

製品開発イメージ

海外のマーケット開拓の状況はいかがでしょうか?

スペーサーの展開においては、国内のみならず特にアメリカ市場にターゲットを絞って今後展開していくことを考えております。アメリカ向けスペーサー“Cumulus”の大きな強みは各病院で利用されている病院商材の利用状況・単価等を全て把握できることであり、今後このデータを活用して病院の経営改善に役立てることが見込まれています。アメリカにおいては、 “Cumulus”の持つ強み・提供サービスとシナジーの高い医療コンサル系企業とのマッチングを、ジェグテックを活用して実施できればと考えています。

医療業界以外のマーケット開拓についてはどのようにお考えでしょうか?

当社の持つコアコンピタンスは様々な分野で活用が可能です。一つの分野に絞ることは難しいですが、今後物流業界や多間接ロボットを活用した製造現場等における当社技術の活用を狙っております。

ジェグテックの活用に関して一言お願いいたします

ジェグテックはマッチングツールであり、特に海外企業とのマッチングに力を入れていると聞いています。当社では、前述したアメリカ企業とのマッチングのほかに、台湾等の半導体製造メーカーとのマッチングを希望しています。ぜひジェグテックを活用し、こういった海外企業とのマッチングにつなげられればと思っています。

編集後記

オオクマ電子株式会社は「ロボット制御技術」と「画像処理技術」の2つの分野における高い技術力を有する企業で、受託開発型企業から見事に開発・製造メーカーへと転進を遂げた企業です。

ハイスペックな技術を活かし、イノベーションの余地が高い医療分野に目をつけるなど、マーケティング活動にも積極的な企業様で、日本市場のみならず、マーケットサイズの大きい海外市場に眼を向けています。ジェグテックとしても、オオクマ電子株式会社が狙う海外企業とのマッチングを積極的に支援していきたいと思います。